接客場面であるあるなマナー違反の言葉遣い ベスト3

人財育成コンサルタント津田典果です。

接客業やお客様と接するお仕事に携わっていらっしゃる皆さん、
ご自分の言葉遣い、敬語の使い方に自信はありますか?

敬語、敬語と気にするあまり、敬語のてんこ盛りで慇懃無礼になってしまったり、二重敬語になっていませんか?
また、当たり前に使っている言い回しが実は間違った表現だった、ということもよくあります。

接客の場面でのあなたの言葉遣いを確認してみましょう。

 

【接客】マナー違反ことば その1 「~になります」

「こちらメニューになります」「伝票になります」「本日のおすすめはスズキになります」・・・と言っていませんか?

これらはすべて間違いです。
メニューはお客様にお見せする前からメニューであり、お見せした後もメニューなのです。
どういうことかというと、「~なります」という表現は「AがBになる」という状態の変化を表す表現であり、何も変化していないものに対して使うのは間違った表現なのです。

この表現が流行った背景として、近年は直接的、断定的な表現が嫌われる傾向にあり、「メニューでございます」「おすすめはスズキです」より「なります」のほうが柔らかい印象に聞こえると、好まれて使われるようになったようです。(←そう、「なります」はこうやって使います)

最近は、ほぼ市民権を得ている「~みたいな」「~な感じ」という表現はさらにあいまい度を高めた表現ですよね。ただ接客の場面でこのようなあいまいな表現、間違った言葉遣いはお客様からの信頼を失うことにつながります。気をつけましょう。

 

【接客】マナー違反ことば その2 「全然~です」

「ぜんぜん大丈夫です」「全然やわらかいですよ」は×です。

全然は「全然~ない」と否定語と一緒に使う言葉ですので、先の例の場合でいえば、「全然問題ないです」「全然固くないです」または「とてもやわらかいです」という表現になります。

このように「全然」を強調の意味で誤って使用しているケースが多くみられます。普段から「ぜんぜんへーき」というような言葉を使っていると、ついお客様の前で出てしまうことがあるので危険です。
言葉遣い、言葉選びは感覚的な要素も大きいので、普段のくせががとても出やすく、頭でわかっていても、その場でつい、ということが起こってしまいます。
一度口から出てしまったことばはもう飲み込むことはできません。普段の生活から意識できるといいですね。

 

【接客】マナー違反ことば その3 「〇〇様でございますね」

ご予約やアポイントのお客様のお名前を確認するときによく聞く言い回しですが、間違いがわかりますか?

この3つの中では、おそらく一番正解率が低いと思います。答えを言ってしまうと、お客様のお名前を確認するときは、「〇〇様でいらっしゃいますね」と確認します。「ございます」というのは「です」の丁寧語にあたりますが、相手はお客様ですので、尊敬語の「いらっしゃる」を使うのが正しい敬語の使い方です。

一方、自社の社員を紹介するときは、「こちらは営業の山田でございます」と身内には尊敬語は使わずに、相手に対する敬意は丁寧語で表します。
私は企業に訪問した際に受付で名乗った後、どう返答があるかをいつも待ち構えているのですが(イヤなお客さんですよね^^;)3件に1件はこの間違った言葉で返ってきます(正確に集計したわけではありませんが)。きちんと研修を受けた方がいるであろう大企業の受付でもそうです。その方たちは、もしかしたら知識として知っているかもしれない、でもできない状態かもしれませんが、そのように、ことばは身について、使いこなせてなんぼ、です。こうやって文章の中で間違い探しができることと、自分のことばとして身についていることは違いますので、ぜひ「みにつける」ことを意識してください。

 

【接客】マナー違反ことば おまけ

次の言葉の間違いを正しく直してみましょう。

□どうぞお召しあがりになってください

□1万円からお預かりいたします

□とんでもございません

□お客様が申されたましたようにご用意いたしました

□厚くお詫び申し上げます

注)もしわからない問題があって答えを知りたい方は、お問い合わせくだされば、お一人ずつお答えします^^

 

まとめ

正しい言葉遣いが必要な理由を今一度考えてみましょう。・・・お客様を心地よい気分にさせるため、そして信頼を得るため、です。心地よい会話、楽しい会話をするだけで、お客様の信頼は積みあがっていきます。一方であなたの不用意な一言で、その積み上げた信頼は一瞬で崩れ去ってしまかもしれません。

素直に、美しい言葉遣いができる人って、素敵だと思いませんか?
美しい言葉遣いは、接客や仕事の場面だけでなく、普段の人間関係にも広がりや深さを与えてくれます。それは、言葉遣いは相手に対する敬意や気持ちが表れているからです。相手の発した言葉を聞いたときに、自分を大切にしてくれていると感じたら、相手に対する親密度が増したり、興味が深まったりしませんか?

言葉遣いのマナー美人は、接客や仕事の場はもちろん、一生の財産です。接客の場でぜひ自分の人生を深めるつもりで、楽しく言葉を操ってくださいね。

 


あなたの会社や店舗で、スタッフの言葉遣いが気になる、お客様から信頼される応対をしたい、とお考えでしたら、ぜひ一度、人財育成コンサルティングサービスにご相談ください。初回無料です。

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Profile

Fine HR代表
津田 典子(TSUDA Noriko)


大学卒業後、ANA(全日本空輸株式会社)に客室乗務員として入社。11年の乗務の中で、何十万人という多様なお客様の接客を経験し、ファーストクラスでの最上級のサービスや、パーサーとしてその日のお客様に合わせたサービスをコーディネイト。チーフパーサーとして、フライト全体のマネジメントを行う。


出産を機に、退職。42歳で採用コンサルティング会社に再就職し、その後キャリアコンサルタントとして独立。


現在は企業向けのマナー・コミュニケーション講座への登壇や、大学講師として、学生から社会人まで多くの人の成長を支援している。


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